房総の地衣類

痂状地衣:Porina マルゴケ属(生葉上生種を除く)

 

このページでは,マルゴケ属のうち樹皮着生と岩上生の種のみ扱います.生葉上生の種は別のページで紹介します.

※全種の写真が掲載されているわけではありません

 

大きな仲間分け

1a.被子器壁(切片の生物顕微鏡像)には,シュウ酸カルシュウムの結晶(透明のガラスのよう)を含む.被子器は灰緑色から緑褐色・・・2へ

 

1b.被子器壁(切片の生物顕微鏡像)には,シュウ酸カルシウムの結晶を欠く.子器が黒色から暗褐色,あるいは橙褐色・・・7へ

 
2.被子器壁にシュウ酸カルシウムの結晶を含む
2a.子嚢胞子は石垣状多室・・・3へ
2b.子嚢胞子は平行多室・・・4へ
 

3a.子嚢胞子は大きく(94 – 175 × 18 – 33 μm),地衣体は被子器壁や基物に圧着する傾向が強い

・・・Porina farinosa オオイシガキマルゴケ(●)

3b.子嚢胞子はやや小さく( 66 – 117 × 17 – 23 μm),地衣体は被子器壁や基物から遊離する傾向が強い

・・・Porina eminentior イシガキマルゴケ(●)

 
Porina farinosa オオイシガキマルゴケ
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Porina eminentior イシガキマルゴケ
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4a.子嚢胞子はごく幅が狭い線形(75 – 91 × 2 – 2.5 μm)線形石垣状多室

・・・Porina exasperatula シャカトウマルゴケ(●)

4a.子嚢胞子の幅は広く, 4 μm 以上・・・5へ
 
Porina exasperatula シャカトウマルゴケ
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5a.子嚢胞子は大きい〔(62 –) 70 – 116 × (7 –) 10 – 17 μm〕・・・6へ

5b.子嚢胞子は小さい〔41 – 60 × 8 – 12 μm〕

・・・Porina tetracerae ヒメマルゴケ(●)

 

6a.子嚢層に油滴がある.子嚢胞子は成熟後に厚壁化する

・・・Porina pallidocarpa シロオオマルゴケ(準備中)

6b.子嚢層ン位油滴はない.子嚢胞子は厚壁化しない

・・・Porina internigrans オオマルゴケ(●)

 
Porina tetracerae ヒメマルゴケ
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Porina pallidocarpa シロオオマルゴケ(準備中)
 
Porina internigrans オオマルゴケ
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7.被子器壁にシュウ酸カルシウムの結晶を欠く

7a.被子器壁(子器縦断切片)は橙褐色.子嚢胞子は平行3室, 14 – 23 × 3 – 5 μm,岩上生

・・・Porina leptalea コマルゴケ(●)

7b.被子器壁は黄褐色から橙褐色の部分がある.子嚢胞子は平行6室,21 – 31 × (3 – ) 4 – 5.5 (– 6.5) μm,樹皮着生

・・・Porina hirsuta ヒメクロマルゴケ(●)

7c.被子器壁の外層は暗褐色・褐色・紫・ワインレッドなど,内壁は透明のことが多いが,ときに暗色化する.子嚢胞子は平行6ないし8室,27 – 42 × 5.5 – 8 μm,岩上生

・・・Porina guentheri クロマルゴケ(●)

Porina leptalea コマルゴケ
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Porina hirsuta ヒメクロマルゴケ
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Porina guentheri クロマルゴケ
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