ヒメサンゴガニ
Tetralia glaberrima (Herbst, 1790)
Distribution in Japan:奄美大島以南, 小笠原. 伊豆半島でも観察例がある.
Distribution in other areas:インド西太平洋, 南太平洋.
Habitat:水深1-15mの枝サンゴに共生.
Size:甲幅1cmくらいまで.
Description:甲面は平滑無毛で分画はほとんどない. 額は前方に湾曲し細かい歯に縁取られる. この歯は中央部分でやや大きく, 側方に向けて小さく間隔も狭くなり, その後再び大きく間隔も広くなる. 第2触覚に対応する位置(端から3個目の歯と4個目の歯の間)の歯間の切れ込みが最大になる. 眼後歯は斜め前方に鋭く尖り, その後ろは内側にやや湾曲する. 甲の前側縁と後側縁の境界に小さな歯がある場合がある. 甲の後側縁の前半はやや膨らみ, 後半は後方に向けて強く狭まる. 鉗脚は左右不同で大鉗脚掌部外面の基部付近に短毛の生えた孔がある. 大鉗脚不動指の咬合縁の先端よりは大きめの鈍歯が数個並び, 基部寄りの歯は不明瞭. 大鉗脚可動指の咬合縁の歯は不明瞭で, 不動指との間隙は小さい. 小鉗脚の不動指, 可動指の咬合縁には小さな歯が並び, 間隙はない. 鉗脚腕節の内角の歯は小さく尖る. 鉗脚長節前縁の基部から全長の3/4程度は鋸歯状になるが, 基部よりの歯は極めて小さく先端方向に向けて大きくなる. 先端よりは歯がなくややひさし状に張り出すが顕著ではない.
体色はオレンジ色がかった乳白色で, 額の縁は青みがかる. 眼柄, 額下部, 口前部, 頰域の一部は青い. 鉗脚指部先端は微かに赤みがかる. 鉗脚長節の前縁もやや赤みがかる. 歩脚前節の先端に黒い斑点がある. 歩脚長節の先端にも黒い斑点がある場合があるが, はっきりしない場合もある. 歩脚指節, 前節には赤い模様がある.
Reference(s):前之園, 2017 ; Castro et al., 2004 ; 川本 & 奥野, 2003(=T. fulva Serène, 1984) ; 峰水, 2000 ; Dai & Yang, 1991
2017/8/31