広島県・・・

天気予報がいまひとつ期待できないのか、

登山者に一人も出会わないブナ林を歩きました。

 

登山道から目を凝らすと・・・

キンセイラン(金精蘭)が咲いていました。

名前は花の色と形からきているようですが、

(金星蘭)とも書くようで、薄暗い森に輝く星明かりのような花・・・

学名を訳すと「日本の美しい花」ということで、日本固有種です。

この株は上に二つ蕾があり、花は下から順に咲くようで、

僅かな風に揺れる様子は、正に森の精・・・

正面はバランス良く洗練された美しさで・・・

横から見ると萼片がしっかり花を護る形になっていました。

昨年に比べると一週間ほど早く咲いて株数は半分以下でしたが、

深閑とした樹間に棲む森の精は、気品漂う美しさでした。

 

 

 

 

別の日、晴れた日なので木洩れ日のブナ林を楽しみながら、沢沿いを登っていると・・・

ヤマサギソウ(山鷺草)らしきランが一本だけありました。

鳥のように小さな花が群れ飛ぶよう見え・・・

花冠は約一センチほど、バンザイしながら長い距をなびかせています。

距の長さは18mmほどで、ハシナガヤマサギソウの長さには足らず、

少し後上方向に伸びるのがマイサギソウに似ていますが、

一番下の葉を見ると、茎を抱く基部が幅広に膨れて先が細くなっているので、

ヤマサギソウのように思われます。

ちなみに、マイサギソウの葉は、こんな感じです。

湿り気のある林縁に生えていて、

標高もあるので少し疑問に思いましたが、

一週間後に再見しても距が伸びる気配は無く、

葉が似ているハシナガヤマサギソウではないと思い、

ヤマサギソウということにしました。

 

 

 

 

ついでに、今が旬の・・・

カキラン(柿蘭)が車道脇の藪の中で見事な色を見せていました。

秋の柿の実色に見立てたもので、花数も多くて良く目立ち、

側花弁の柿色と唇弁の柿色模様が、緑色の葉にぴったりの花でした。