国内で、
1個体が発見され、
その存在が
ほぼ
忘れられてしまっている
アオゴミムシがいる。
↓文献(Insects of micronesia) に記されているように、
この種は、
1948年の7月に
(戦後、アメリカの統治下にあった時)
小笠原諸島の父島で
採集されている。
以後、
小笠原の昆虫の目録で
引用され、リストに載るものの、
日本産昆虫の総目録や
日本のゴミムシをまとめた文献類から
なぜか外されている。
いや
むしろ、忘れられている…といったほうが正しい。
正式な報告・記録がありながら
図鑑には、
写真も名前も紹介された事のない
とても、さみしいアオゴミムシだ。
アメリカが
虫の駆除のために
小笠原に
放ったオオヒキガエルのせいで
いなくなったのではないかと
昔、考えていたが、
以前、
http://ameblo.jp/shiikutoubann/entry-10506883507.html
で紹介した
オガサワラアオゴミムシ
が、今もなお
生息している事を考えると、
そう決めつけるには
無理を感じる。
Chlaenius flaviguttatus は
東南アジアやオーストラリアにも生息する
広域分布種だ。
じめじめして、少し開けた環境に多く見られ、
野菜畑でイモムシを食べるので、
害虫の天敵とも称されている。
こんな
たくましい
種なので、
父島の
どこかに
生き残っていると
信じている。
一生懸命、生きて、
分布を広げて
父島までたどり着いた
日本の昆虫の一員である事には
間違いない。
なので
せめて、ここで和名を提案したい。
Chlaenius flaviguttatus
の意味は、
黄色い星(斑点)のあるアオゴミムシで
(↓良く見ると、薄く小さい点が、翅の後方にある)
(パプアニューギニア産の個体)
直訳するとキボシアオゴミムシとなるが、
すでにこの和名は、
別の種に使われている。
ただ、キボシアオゴミムシに比べて、
体色がすすけたように非常に黒いので、
「ススイロキボシアオゴミムシ」
とするのだ。