ホラシノブ Sphenomeris chinensis (ホングウシダ科 ホラシノブ属
 ホラシノブはなかなか美しいシダであり、英語名は lace fern。ハワイの名前は pala'a palae だそうだ。パラパラという発音になるのであろうか?! 和名は洞忍ということらしいが、洞穴の入り口が大好きというわけではなさそうだ。胞子嚢が葉の先端の穴の中に形成されるので、そのような状態を洞としたのではないかと思うがどうであろうか。

 名前の由来は別として、平坦地に生育することは少なく、山道であれば、切り通しの崖に生育することが多く、比較的新鮮な崖を好む。苔むした古い崖では、見かけることは少ない。その観点から振り返ってみれば、道路工事の際に形成された崖を放置していた時代には、結構ホラシノブの生育が見られたが、吹き付けて緑化するようになってからはずいぶんと少なくなったと感じている。

 最近ボランティアによって手入れされた登山道脇の法面に小さなシダが見えた。小さいのと少し育ったのを見比べるとどうやらホラシノブであろうと判断した。基部に薄くて半透明な前葉体が見える。このような新鮮な崖が大好きということなのであろう。
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